【限界効用理論】メンガー・ジェボンズ・ワルラス わかりやすく解説

Introduction:限界効用理論とは?

限界効用理論とは、

効用価値説を基調とし、限界効用によって経済的な望ましさが決定されるという経済学の理論

です。

限界効用理論は、経済学を学ぶ上で避けては通れない概念であり、非常に重要な考え方です。

この考えは、メンガー・ジェボンズ・ワルラスという3人の経済学者によって提唱されました。

これは、「限界革命」と呼ばれ、経済学史における非常に重要な出来事です。

本記事では、①限界効用理論 ②経済学者 ③影響を解説していきます。

Part 1 内容解説:限界効用理論

限界効用理論を理解するために、①効用価値説 ②限界効用 ③限界効用逓減の法則という3つのステップに分けて説明していきます。

【限界効用理論】 要点
・限界革命:古典派の労働価値説から効用価値説への転換
・限界効用:財・サービスを、1単位追加して消費することで得る効用の増加分
・限界効用逓減の法則:財の消費量が増えるにつれて、追加的に得られる効用は徐々に小さくなるという考え
・人物:メンガー・ジェボンズ・ワルラス
・影響:ミクロ経済学・新古典派経済学

1−1 前提としての効用価値説

限界効用理論は、「効用価値説」という考え方を基調としています。

効用価値説とは、

財の価値は、各人が主観に基づいて判断する効用によって決まるという経済理論

です。(※効用は、幸福度や満足度という意味です)

つまり、経済的な価値は効用によって決まるということです。

効用価値説が唱えられるまでは、「労働価値説」が主流派でした。

労働価値説とは、

労働が価値を生み出すものであり、分業などによって生産性を高めることにより富を増やすことができるという考え

です。

これは、商品の価値は労働量によって決定するということです。

アダム・スミスを始めとする古典派経済学派は、労働価値説に基づいた学派です。

代表的な経済学者は、スミス・リカード・マルサス・J・Sミル・ベンサムなどが挙げられます。

古典派経済学の父である、アダムスミスについてまとめた記事は、以下のリンクからご覧いただけます。

他にもWeb大学 アカデミアでは、経済学者の解説を行なっているので、是非ご覧ください。

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アダムスミス

労働価値説に基づいた古典派経済学から脱却し、効用価値説に基づいて限界効用理論を唱えました。

これを「限界革命」と言います。

そして、限界革命以降の限界理論と市場均衡分析を導入した経済学を新古典派経済学と言います。

このように、古典派経済学から脱却した限界革命は、経済学史においても重要な出来事でした。

1−2 限界効用とは

限界効用とは、

財・サービスを、1単位追加して消費することで得る効用の増加分

です。

限界=追加的に1単位消費

わかりやすく図を用いて説明します。

限界効用

コーラを例にして説明します。

コーラから得られる限界効用

コーラ1本目を飲んだ時に得られる限界効用:8

コーラ2本目を飲んだ時に得られる限界効用:2

コーラ3本目を飲んだ時に得られる限界効用:1

効用は蓄積されていきますが、限界効用は効用の増加分なので、上記の値になります。

このように、追加的に1単位消費した時に得られる効用の増加分を限界効用と言います。

1−2 限界効用逓減の法則

コーラ1本目を飲んだ時に得られる効用(満足感)は、2本目に比べて高いはずです。

2本目を飲んだ時に得られる効用(満足感)は、3本目に比べて高いはずです。

これは、同じものばかり飲んでいると飽きるため、効用を高めることができなくなるということです。

このような現象を限界効用逓減の法則と言います。

限界効用逓減とは、

財の消費量が増えるにつれて、追加的に得られる効用は徐々に小さくなるという考え

です。

先述したように、同じ物ばかり消費していると徐々に満足度は低下していきます。

喉が乾いている時に飲むコーラは、飲む人の効用を大きく向上させることが可能でしょう。

しかし、5本・10本飲んでも、効用の向上は見込めないでしょう。

グラフで表すと、

限界効用逓減

消費量を増やすにつれて、得られる効用は徐々に減少します。

Part 2:人物

限界効用理論は、イギリスの「ジェボンズ」・オーストリアの「メンガー」・フランスの「ワルラス」という3人の経済学者によって提唱されました。

彼らは、協力して限界効用理論を唱えたわけではなく、それぞれが独立してほぼ同時期に発展させました。

ここでは、一人ひとりを見ていきます。

2−1 メンガー

メンガー

カール・メンガーCarl Menger)とは、

1840年〜1921年にオーストリアで活躍した、近代経済学の創始者の一人

です。

メンガーは1871年に「国民経済学原理」を出版し、限界効用理論を唱えました。

メンガーについて詳しく・わかりやすくまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。ぜひご覧ください。

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メンガー 効用価値説

メンガーについてもっと学びたい方は、以下の書籍がおすすめです。

2−2 ジェボンズ

ジェボンズ

ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ(William Stanley Jevons)とは、

1835年〜1882年にイギリスで活躍し、限界効用理論を唱えた新古典派経済学者

です。

ジェボンズは、1871年に「経済学理論」を出版し、限界効用理論を唱えました。

ジェボンズは、無差別の法則(一物一価の法則)など、重要概念を提唱しました。

ジェボンズについて詳しく・わかりやすくまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。ぜひご覧ください。

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ジェボンズ 経済学理論

2−3 ワルラス

ワルラス

レオン・ワルラス(Leon Walras)とは、

1834年〜1910年にスイスで活躍し、一般均衡理論を唱えた新古典派経済学者

です。

ワルラスは、1874年から1877年にかけて「純粋経済学要論」を出版し、限界効用理論を唱えました。

経済学的分析に数学的手法を活用し、ワルラスの法則一般均衡理論を提唱しました。

ワルラスについて詳しく・わかりやすくまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。ぜひご覧ください。

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ワルラス 一般均衡理論 ワルラスの法則

ワルラスについてもっと学びたい方は、以下の書籍がおすすめです。

Part 3:影響

限界効用理論は、現代の経済学にも大きな影響を与えています。

3−1 ミクロ経済学

ミクロ経済学は、マクロ経済学とセットの近代経済学の二大理論と言われており、経済学部の学生は、必修の科目です。

ミクロ経済学の中で、効用の概念・限界効用理論は今でも採用されています。

ミクロ経済学を構成する重要な概念を提唱した限界効用理論は、現代の経済学にまで影響を及ぼしています。

ミクロ経済学を学びたい方は、以下の書籍がおすすめです。

3−2 新古典派経済学

限界革命は、新古典派経済学の発展に貢献しました。

先述したように、労働価値説に基づく古典派経済学が主流だった時代において、効用価値説に基づき、経済学に数学的な手法を用いることで、新古典派経済学を発展させました

これは、経済学における大きな進歩です。

市場均衡分析や数学的分析という「科学的」な手法を活用することで、経済学の発展に寄与しました。

(※新古典派経済学の始まりや、網羅する範囲などは諸説あります。)

経済思想史を学びたい人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 4:まとめ

いかがでしたか?

限界効用理論」をまとめると、

【限界効用理論】 要点
・限界革命:古典派の労働価値説から効用価値説への転換
・限界効用:財・サービスを、1単位追加して消費することで得る効用の増加分
・限界効用逓減の法則:財の消費量が増えるにつれて、追加的に得られる効用は徐々に小さくなるという考え
・人物:メンガー・ジェボンズ・ワルラス
・影響:ミクロ経済学・新古典派経済学

以上です。

Web大学 アカデミアは、他にも様々なジャンル・トピックを解説していますので、是非ご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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