パレート【経済学講義】序数効用理論やパレート最適など、わかりやすく解説

Introduction:パレートはどんな人?

ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Frederico Damaso Pareto)とは、

1848年〜1923年にイタリアで活躍した、ローザンヌ学派の経済学者

です。

パレートはワルラス一般均衡理論を発展させるなど、経済学に大きく貢献しました。

また、福祉的な観点から経済学を分析し、厚生経済学のパイオニアとなりました。

本記事では、パレートの「経済学提要」について解説していきます。

Part 1:内容解説「経済学提要」

パレートは、ワルラスの一般均衡理論を発展させました。

①序数効用理論 ②パレート最適という2点から解説していきます。

【経済学提要】 要点
・序数効用理論:効用を大小によって測るのではなく、序列によって効用を測る理論
・ワルラス批判:基数的効用で分析を続けるワルラスを批判
・無差別曲線の導入:ある消費者にとって「同じ効用を得ることができる2つの財の消費量の組合せ」をつないだ曲線
・パレート最適:最大便益が達成されている状態

1−1 序数効用理論

序数効用理論とは、

効用を大小によって測るのではなく、序列によって効用を測る理論

です。

効用を大小によって測る方法は、基数的効用と呼ばれます。

パレートは、主要だった基数的効用ではなく、序数的効用を採用しました。

1−1−1 ワルラス批判

パレートは、ワルラスの効用の概念について批判しました。

パレートはワルラスの一般均衡理論を発展させましたが、効用の概念については意見が分かれました。

ワルラスは効用価値説に基づく理論を展開し、限界革命を起こした一人です。

限界効用理論・ワルラスについて書かれた記事は以下のリンクからご覧いただけます。

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限界効用理論 メンガー ジェボンズ ワルラス

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ワルラス 一般均衡理論 ワルラスの法則

パレートは基数的効用に基づいて分析をするワルラスを批判し序数的効用を採用しました。

これが、ワルラスとパレートの主な違いです。

1−1−2 無差別曲線の導入

パレートは、「財がどのような効用をもたらすか」というのは重要ではなく、「各財の関係=選考の順序」が分かればいいと主張しました。

「財がどのような効用をもたらすか」というのは、基数的効用に基づいた考えであり、「各財の関係=選考の順序」は序数的効用に基づく考えです。

つまり、「財を選ぶ順番さえ分かればいい」ということです。

パレートは無差別曲線を導入して、財と財の関係を分析しました。

無差別曲線とは、

ある消費者にとって「同じ効用を得ることができる2つの財の消費量の組合せ」をつないだ曲線

です。

無差別曲線

パレートは、この無差別曲線を用いて消費者選択理論を展開しました。

これによって、「消費者はどのような材の組み合わせを購入するのか」というのがわかります。

無差別曲線はミクロ経済学の分野になります。

無差別曲線についてもっと詳しく学びたい方は、以下の書籍がおすすめです。

パレートは、無差別曲線を用いた分析で資源配分のパレート最適」という概念を提唱しました。

1−2 パレート最適

パレート最適とは、

最大便益が達成されている状態

です。

つまり、「ある状態から誰かの便益を高めようとすると、他の誰かの便益が低下するような状態」であり、「これ以上改善の余地がない」ということです。

これにより、最も適切な資源配分の組み合わせがわかるようになります。

無差別曲線で「選考の順序」が明らかになるため、適切な配分が導けます。

限られた資源(財)を適切に配分し、全員の効用を最大化する」のがパレート最適です。

そして、パレート最適な組み合わせが複数ある場合は、価値観による判断になるとしました。

個人の効用を大小ではなく順序によって計測したため、このような理論の展開が可能となりました。

Part 2:おすすめ本

もっとパレート・ミクロ経済学を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 3:まとめ

いかがでしたか?

「経済学講義」をまとめると、

【経済学提要】 要点
・序数効用理論:効用を大小によって測るのではなく、序列によって効用を測る理論
・ワルラス批判:基数的効用で分析を続けるワルラスを批判
・無差別曲線の導入:ある消費者にとって「同じ効用を得ることができる2つの財の消費量の組合せ」をつないだ曲線
・パレート最適:最大便益が達成されている状態

以上です。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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