石油危機(オイルショック)とは、
です。
石油危機は、1970年代の世界経済に大打撃を与えた非常に重要な出来事です。
本記事では、石油危機について解説してきます。
Part 1:内容解説
石油危機は、第一次石油危機と第二次石油危機に分けることができます。
1−1 第一次石油危機
第一次石油危機が起きた原因は、原油産出国が集中する中東において、第四次中東戦争が勃発したことにあります。
イスラエルに敵対していた産油国のアラブ諸国は、イスラエル支持国であるアメリカなどに対して原油輸出禁止や価格の引き上げといった「石油戦略」を取りました。
この戦略によって、原油価格は130%も引き上げられ、世界経済は大混乱しました。
産業活動に欠かせないエネルギーである原油の不足は、経済の停滞を意味します。
石油消費国は、国際収支の赤字、インフレーション、不況のトリレンマに悩まされることになりました。
日本では、狂乱物価と呼ばれるほど物価が上昇し、経済はマイナス成長を記録しました。
日本政府は、国民生活安定緊急措置法、石油需給適正化法といった法案の策定やアラブ諸国との外交を積極的に行う対策を講じました。
石油危機が起きたことで、石油不足がメディアによって報道されると、日本中の店舗でトイレットペーパーの買い占めがされた「トイレットペーパー騒動」が起きました。
1−2 第二次石油危機
石油危機が再び起きた原因は、「イラン革命」にあります。
イラン革命についてまとめた記事は、以下のリンクからご覧いただけます。
Introduction:イラン革命とは? イラン革命(Iranian Revolution)とは、 1978-79年、ホメイニ率いるシーア派がモハンマド・レザー・シャーの専制を打倒してイスラム国家を建設したイスラム革命 です。 […]
イラン革命は、1979年にホメイニ率いるシーア派がイスラーム教国家を樹立させた革命です。
この革命によって、イランでの石油生産が中断され、供給が減少したことで第二次石油危機は起こりました。
そして、石油の供給が減少したことから、石油輸出国機構(OPEC)は石油価格の引き上げを行い、再び世界経済に打撃を与えました。
しかし、第一次石油危機よりは、比較的緩やかな値上げであったことや、第一次石油危機を経験したことで、石油消費量を減らしていたことなどが幸いし、第二次石油危機の経済的な打撃は比較的軽微であったと言えます。
また、イラン革命の混乱が落ち着くと、イランは石油生産を再開したので、石油供給の逼迫は長期化しませんでした。
石油危機は、世界経済に打撃を与えたと共に、順調だった経済成長を停滞させることになりました。
Part 2:おすすめの書籍
もっと「石油危機」を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。
Part 3:まとめ
いかがでしたか?
「石油危機」をまとめると、
以上です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。