Introduction:セイはどんな人?
ジャン=バティスト・セイ(Jean-Baptiste Say)とは、
1767年〜1832年にフランスで活躍し、「セイの法則」を発見した古典派経済学者
です。
セイは経済学者の中で比較的有名ではありませんが、「経済学概論」の中でセイの法則を主張した重要な人物です。
また、自由貿易や競争・規制緩和を促進した、古典的自由主義の信奉者です。
本記事では、「セイの法則」について解説していきます。
Part 1:内容解説「セイの法則」
セイの法則(Say’s law)とは、
貨幣市場以外の市場では、常に総需要と総供給が一致するという法則
です。
セイの法則を簡単に言い換えると、
供給したモノは全て売れるので、供給によって需要量をコントロールすることができる
ということです。
セイは、市場に任せておけば、マーケットメカニズムによって需要と供給が自然と一致するという前提を採用しました。
なぜ自然と需要と供給が一致するのでしょうか?
需要曲線・供給曲線が左右にシフトした場合に分けて説明します。
① 需要曲線が右にシフトした場合
需要曲線が右にシフトするということは、需要が増加するということです。
「需要の増加=みんなが欲しがる」なので、価格が上昇します。
需要曲線が右にシフトすると、供給曲線との交点が均衡価格・生産量として一致します。
② 需要曲線が左にシフトした場合
需要曲線が左にシフトするということは、需要が減少するということです。
「需要の減少=みんなが欲しがらなくなる」なので、価格が下落します。
需要曲線が左にシフトすると、供給曲線との交点が均衡価格・生産量として一致します。
③ 供給曲線が右にシフトした場合
供給曲線が右にシフトするということは、供給が増加するということです。
「供給の増加=モノがあふれる」なので、価格が下落します。
供給曲線が右にシフトすると、需要曲線との交点が均衡価格・生産量として一致します。
④ 供給曲線が左にシフトした場合
供給曲線が左にシフトするということは、供給が減少するということです。
「供給の減少=モノが少なくなる」なので、価格が上昇します。
供給曲線が左にシフトすると、需要曲線との交点が均衡価格・生産量として一致します。
需要は直接的に操作することができないため、セイは供給サイドに注目しました。
供給は供給者によって操作可能であり、供給量と需要量は常に一致するため、供給によって需要を創出することができると考えました。
言い換えると、供給したモノは全て売れるので、供給によって需要量をコントロールすることができるということです。
セイの法則を簡単にまとめた言葉で、「供給が需要を創出する」と言われています。
ちなみに「セイの法則」は、リカードやマルクス、ワルラスによって受け継がれましたが、ケインズによって否定されました。
Part 2:おすすめ本
もっと経済学史を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。
Part 3:まとめ
いかがでしたか?
「セイの法則」をまとめると、
・貨幣市場以外の市場では、常に総需要と総供給が一致するという法則
・供給したモノは全て売れるので、供給によって需要量をコントロールすることができる
以上です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。