【アダム・スミス】 著作、教育論、古典派経済学など、わかりやすく解説

Introduction:アダム・スミスとは?

アダム・スミス(Adam Smith)とは、

1723年〜1790年に活躍した、イギリスの哲学者・倫理学者・経済学者。

スミスは、「国富論」の著者であり、見えざる手などのワードで有名だと思います。

また、古典派経済学の父と呼ばれており、現代の経済学に重要な影響を与えています。

スミスは、経済学だけではなく、独自の教育論なども唱えていました。

本記事では、スミスの①著作②教育論③古典派経済学を解説していきます。

Part 1:著作

1−1 「国富論」

国富論とは、

1776年に出版された、資本や経済発展について書かれたアダム・スミスの著作

です。

国富論は、国はどうやって豊かになるかという問いに対して、自由放任主義に基づいて、分業や資本形成・資本投下によって国は豊かになると唱えました。

またスミスは、労働が価値を生む源泉という労働価値説に基づいて重商主義を批判しました。

国富論の要点は、以下の通りです。

【国富論】 要点
・重商主義批判:金銀よりも消費財の方が国を豊かにする
・分業することで市場経済が発達する
・資本形成・資本投下で生産的労働が増える
・自由放任で「見えざる手」に導かれる
・所有権の確立が労働のインセンティブを保証

国富論について詳しくまとめた記事は以下のリンクです。是非ご覧ください。

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アダムスミス 国富論

1−2 「道徳感情論」

道徳感情論」とは、

理性に頼らずに、法・社会秩序が形成されていく過程を分析し、道徳の一般規則をどのように感情から導くかを書いた著作。

です。

道徳感情論は、共感を得たい感情によって道徳の一般法則が導かれ、法・社会秩序が形成されていくと考えました。

道徳感情論の要点は以下の通りです。

【道徳感情論】 要点
・人々は共感を求めるために極端な意見を避ける
・公平なる観察者という第三者の目からの判断を重視
・自分を客観的に見ることで良心に従うことができる
・良心に従わない弱者は自己欺瞞に陥る
・自己欺瞞を解決するために強制力が必要
・人々の共感と社会経験によって道徳の一般法則が形成

道徳感情論について詳しくまとめた記事は以下のリンクです。是非ご覧ください。

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Part 2:教育論

スミスは、「国富論」のなかで教育についても述べました。

スミスは、経済活動の自由放任を推進しましたが、教育は国が責任を負うべきであり、市場に任せてはならないと主張しました。

スミスが主張した「分業」は生産性を改善するが、人間の尊厳を奪ってしまうと考えました。

つまり人々は、分業による単純作業を繰り返すことで人間らしさが奪われてしまうということです。

それを改善するために、国によって保証された教育が必要であると説きました。

国が行うべき教育は、読み(Reading)・書き(Writing)・計算(arithmetic)の基礎的教育だと述べました。

さらに、国家は①学校の設置 ②奨学金 ③教育の義務化という3つを行うべきだと主張しました。

スミスは、教育が役に立つかわからないが、役に立たなくても、教育を受けること自体に意味があると考え、以上のような教育論を展開しました。

Part 3:古典派経済学の父

スミスは、古典派経済学の父と呼ばれました。

古典派経済学とは、

労働価値説に基づいた経済学の総称

です。

労働価値説とは、

労働が価値を生み出すものであり、分業などによって生産性を高めることにより富を増やすことができるという考え。

です。

つまり、スミスは最初に労働価値説を経済学の基本理論として唱えたため、古典派経済学の父と呼ばれました

古典派経済学はスミスの後、マルサスリカードベンサムJSミルなどに受け継がれて発展しました。

Part 4:おすすめ本

もっとアダム・スミスを学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 5:まとめ

いかがでしたか?

アダム・スミスをまとめると、

アダム・スミス まとめ

・「国富論」で、自由放任のもとでの分業や資本蓄積により経済発展が可能にあると主張した

・「道徳感情論」で、共感を得たい感情によって道徳の一般法則が導かれ、法・社会秩序が形成されていくと主張した

・国による教育制度・設備の充実が必要であると主張した

・古典派経済学の父と呼ばれた。

以上です。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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