ジョセフ・ユージン・スティグリッツ(Joseph Eugene Stiglitz)とは、
です。
スティグリッツは、世界銀行のチーフエコノミストやスタンフォード大学・コロンビア大学といった有名大学で教授を務めるなど、輝かしい功績の持ち主です。
経済学にも多大な貢献をし、世界的にも有名な経済学者の一人です。
本記事では、スティグリッツの①主張 ②功績 ③著書という3点から解説していきます。
Part 1:主張
スティグリッツは、経済指標としてのGDPの限界やIMF・マネタリズム批判、世界金融危機の予言など、経済学に大きな貢献をし、数多くの主張・功績を残しました。
本パートでは、①経済格差の是正 ②規制緩和・緊縮財政批判という2点を解説していきます。
1−1 経済格差の是正
スティグリッツは経済格差を是正するために、富裕層に増税するように主張しました。
富裕層は高額の納税者であるとともに、経済発展に貢献しているが、必要以上に稼ぐことによって、社会的なシステムを歪めていると指摘しました。
また、自由主義的なアプローチよりも、賃金上昇や労働環境改善といった福祉的なアプローチを重要視しました。
同じ主張をしている経済学者らとともに、最低賃金を改善するように大統領や議会に求めるといった行動を起こすなどしました。
このようにスティグリッツは、経済格差の是正を主張しました。
1−2 規制緩和・緊縮財政批判
スティグリッツは、規制緩和や緊縮財政といった経済的な政策を批判しました。
一般的に、規制緩和は市場の効率性を重視する自由主義的なアプローチの一つです。
企業の経済的な規制を緩和することで、市場で自由に経済活動を行うことが可能になり、経済的効率性が改善されるという考え方です。
しかし、スティグリッツは、規制なしで機能する市場・社会は存在しないと考え、適切な規制とは何かということを追求しました。
スティグリッツは、規制緩和によって脆弱になった金融部門における危険性を指摘し、世界金融危機を予言しました。
また、EUの緊縮財政を批判し、経済成長を阻害するものであると考えました。
緊縮財政とは、
です。
このように、スティグリッツは反緊縮財政を掲げ、EUの経済政策を批判しました。
Part 2:功績:情報の非対称性でノーベル経済学賞
スティグリッツは、その経済理論や主張、論文など、経済学に大きく貢献しました。
その中でも、ノーベル経済学賞の受賞の理由となった、「情報の非対称性」の理論が特筆すべき点です。
スティグリッツは、ジョージ・アカロフ、マイケル・スペンスとともに2001年にノーベル経済学賞を受賞しました。
情報の非対称性とは、
です。
これは、売り手と買い手に情報の非対称性があるとき、経済的な効率性が損なわれます。
売り手が財に専門的な知識を持っており、買い手がそれを知らない状態などがよく見られる状況です。
スティグリッツはこのような状況を改善するために、スクリーニングという手段を提案しました。
スクリーニングとは、
です。
スティグリッツは、このような理論を提唱することで経済学に大きく貢献しました。
Part 3:著書
本パートでは、スティグリッツの著作を紹介します。
上の4つは、経済学の教科書として使われているもので、後半の6つは学術書・専門書として読まれているものです。
経済学を教科書的に学びたい場合は、上の4つを学ぶことをおすすめします。
後半の6つは、主に経済学のネガティブな側面や悪影響などに着目し、市場経済批判が多く見られます。
スティグリッツ公共経済学
スティグリッツ入門経済学
スティグリッツミクロ経済学
スティグリッツマクロ経済学
世界を不幸にしたグローバリズムの正体
人間が幸福になる経済とは何か
フリーフォール
世界の99%を貧困にする経済
ユーロから始まる世界経済の大崩壊
Part 4:まとめ
いかがでしたか?
「スティグリッツ」をまとめると、
以上です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。