アンドレ・グンダー・フランク(Andre Gunder Frank)とは、
です。
従属理論は、マルクス主義の影響を強く受けた学説で、低下発地域が貧困から抜け出せない理由・メカニズムを説いたものです。
経済学・国際関係学を学ぶ上で、従属理論は基礎的な知識となります。
従属理論とともに、イマニュエル・ウォーラーステインの「世界システム論」が有名です。
世界システム論をまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。
Introduction:イマニュエル・ウォーラーステインはどんな人? イマニュエル・ウォーラーステイン(Immanuel Wallerstein)とは、 1930年〜2019年にアメリカで活躍し、「世界システム論」を提唱した社会学者・[…]
本記事では、アンドレ・グンダー・フランクの【従属理論】を解説していきます。
Part 1:【従属理論】 内容解説
従属理論(Dependency Theory)とは、
です。
従属理論を、①低開発と未開発 ②中枢と衛星という2点から解説していきます。
1−1 低開発と未開発
フランクは、「経済発展は資本主義の段階を踏んで順序的に進展していくため、現代の発展途上国は、先進国も通過した過去の状態である。」という一般的な説を否定しました。
これは、「歴史を辿ると先進国も発展途上の時期があり、その段階を経て経済発展をしてきた、そのため、今の発展途上国もいずれは段階を経て先進国のように発展する」という学説です。
フランクがこの考えを否定したのは、「低開発(underdeveloped)」と「未開発(undeveloped)」を明確に分けて考えたからです。
図のように、未開発は先進国よりは遅れているものの経済発展の方向が正しいベクトルに向いている状態です。
しかし低開発は、先進国への従属によって経済発展から遠ざかっている状態です。
低開発の状態では、後進国が貧困から抜け出せることはありません。
フランクは、低開発国の貧困の原因が先進国の衛星国になったことにあると主張しました。
1−2 中枢と衛星
フランクは、先進国=中枢国、後進国=衛星国としました。
衛星諸国は中枢国に従属することで、低開発状態から抜け出せないと主張をしました。
このように、衛星諸国は中枢国に従属し、不平等な経済関係を結ばされているということです。
そして、中枢国との関係が深いほど衛星国の発展が阻害されます。
例えば、発展途上国のモノカルチャー経済が挙げられます。
中枢国のためにモノ・カルチャーの第一次産品輸出する衛星国は、経済的利益を得られないことやその脆弱性により、貧困から抜け出せません。
フランクは、衛星国が貧困から抜け出すには、保護貿易を行い、中枢国との関係を断ち切るしかないと主張しました。
フランクは、中枢国との関係を断ち切って発展に成功した例として、日本を挙げました。
日本は江戸・明治時代に、欧米の中枢国に衛星化されることなく独自に発展することができたということです。
欧米諸国に従属することなく、対等な関係を気付くことができたために発展に成功したというのがフランクの考えです。
Part 2:おすすめ書籍
もっと「従属理論」を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。
Part 3:まとめ
いかがでしたか?
「従属理論」をまとめると、
以上です。
Web大学 アカデミアは、他にも様々なジャンル・トピックを解説していますので、是非ご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。