グローバルガバナンス論(Global Governance)とは、
です。
ガバナンスは、「統治」や「管理」といった意味があり、世界規模における統治やその取り組みについての概念です。
グローバルガバナンス論は、国際レジーム論と並んで学ぶことが多いです。
国際レジーム論についてまとめた記事は、以下のリンクからご覧いただけます。
Introduction:国際レジーム論とは? 国際レジーム論(Regime Theory)とは、 無政府状態の国際社会において、多様なアクターが相互依存を管理するための制度・ルールを研究する理論 です。 国際レジーム論は、グロ[…]
本記事では、グローバルガバナンス論の特徴を解説していきます。
・起源:1990年代から国際問題の危険性の高まりから出発
・世界政府なき国際統治:様々なアクターによる統治の試み
Part 1:特徴
グローバルガバナンス論は、国際関係論における基本的な理論の一つです。
1−1 グローバルガバナンス論の始まり
グローバルガバナンスという概念は、1992年にブラジルのリオで開催された「地球サミット」で登場しました。
冷戦後、世界各国の経済発展に伴って、気候変動といった環境問題や難民問題といった地球規模の問題が増加しました。
それらは一国だけでは対処することが困難で、世界各国の協力が不可欠でした。
また、世界を統治する政府が存在しない国際社会では、問題対処のための意思決定や対策を円滑に進めるのが難しいという状況でした。
国連は、政府のような権限や行政の能力を持っておらず、意思決定の機関としては不十分でした。
このようにして登場したのがグローバルガバナンス論です。
1−2 世界政府なき国際統治
グローバルガバナンス論を簡潔にまとめると「世界政府なき国際統治」と言えます。
国家の上位権力である世界政府がない国際社会では、国家を統治するのが困難であり、地球規模の問題に対処することが困難です。
そこでグローバルガバナンス論は、公的機関である政府や国際機関だけでなく、国際NGO、NPOといった非国家アクターや個人の参加を通じて、問題に対処しようと試みます。
多様なアクターが、制度やプログラムを構築しながら、国際秩序を管理・統治しようとします。
例えば、国境を越えた環境汚染などが挙げられます。
世界政府が存在すれば、政策によってその問題に対処しようと試みます。
現実世界では、国際環境NGOや該当地域の政府が協力しながら対策を講じます。
問題によって専門の機関・組織が協力しながら解決を試みます。
しかし、それらを取りまとめる最高権力がない中での統治・管理の難しさといった限界が指摘される時もあります。
Part 2:おすすめの書籍
もっと「グローバルガバナンス論」・国際関係論を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。
Part 3:まとめ
いかがでしたか?
「グローバルガバナンス論」をまとめると、
・起源:1990年代から国際問題の危険性の高まりから出発
・世界政府なき国際統治:様々なアクターによる統治の試み
以上です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。