【フリードマン】マネタリズムやネオリベラリズムなど、わかりやすく解説

Introduction:フリードマンはどんな人?

ミルトン・フリードマン(Milton Friedman)とは、

1912年〜2006年にアメリカで活躍したシカゴ学派を代表する経済学者

です。

フリードマンは、マネタリスト・新自由主義を代表する人物であり、市場経済の機能を重視するシカゴ学派でした。

経済学を学ぶ上で、フリードマンの思想は欠かせません。

本記事では、フリードマンの①思想・主張(マネタリズム・ネオリベラリズム・リバタリアニズム)②著作・功績について解説していきます。

【フリードマン】 要点
マネタリズム:貨幣の役割を重視し、貨幣の量によって景気や物価といった変数が決定するという経済理論
ネオリベラリズム市場経済の機能、個人の自由を尊重し、政府による市場介入を最小限にすることで、効率的な資源配分が可能になるという考え方
リバタリアニズム:個人の自由・経済的な自由を重視する政治思想・政治哲学的な立場
・固定為替制度から変動為替制度へ
・ノーベル経済学賞
・「資本主義と自由」「選択の自由」

Part 1:思想・主張

フリードマンの思想として、①マネタリズム、②ネオリベラリズム③リバタリアニズムの3つを解説します。

1−1 マネタリズム

マネタリズムとは、

貨幣の役割を重視し、貨幣の量によって景気や物価といった変数が決定するという経済理論

です。

つまりマネー(貨幣)を重視し、これをコントロールすることで、経済をある程度コントロールできるということです。

この考えは、当時主流となっていたケインズ経済学と対立しました。

ケインズは市場の不安定性を指摘し、政府の介入による経済の安定を主張しました。

マネーのコントロールで経済を安定させると主張するフリードマンと、政府の市場介入によって経済を安定させると主張するケインズということです。

ケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」についてまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。ぜひご覧ください。

ケインズ【雇用・利子および貨幣の一般理論】非自発的失業や有効需要など、わかりやすく解説

1−2 ネオリベラリズム(新自由主義)

ネオリベラリズム(新自由主義)とは、

市場経済の機能、個人の自由を尊重し、政府による市場介入を最小限にすることで、効率的な資源配分が可能になるという考え方

です。

※新自由主義は、ネオリベラリズムとニューリベラリズムの2種類があり、全く違うものです。

フリードマンは、元々ケインズ経済学者であったが、途中からケインズ経済学を批判し、ネオリベラリズムを主張しました。

フリードマンは、ケインズ的な政府による市場介入は非効率的であり、市場の資源分配を歪ませると批判しました。

ネオリベラリズムの特徴は、

規制緩和・民営化・グローバル化・競争の促進

などのように、小さな政府を目指すものでした。

簡略化すると、大きな政府を支持するケインズと小さな政府を支持するフリードマンという構図です。

大きな政府 小さな政府 ケインズ フリードマン

ネオリベラリズムは、サッチャーレーガンの経済政策として採用され、サッチャリズム・レーガノミクスとして有名になりました。

サッチャリズム・レーガノミクスについてまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。

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日本では、橋本政権での金融ビッグバン小泉政権の郵政民営化などが有名です。

フリードマンは、自由市場に任せればあらゆる問題は解決されると言い、差別の例を提示しました。

パンを買う人は、小麦を栽培したのが白人か黒人か、キリスト教かユダヤ教かなど気にしない。市場経済のもとでは、各人は価格に基づいて判断するため、誰が作ったかという理由で差別するようなことは起きないと言いました。

1−3 リバタリアニズム(自由至上主義)

リバタリアニズムとは、

個人の自由・経済的な自由を重視する政治思想・政治哲学的な立場

です。

これは、リベラリズム以上に個人の自由を重視し、あらゆる規制や政府による介入を許さないということです。

政府・権力が介入を許されるのは、自由を保証するために限られます。

例えば、犯罪の取り締まりや治安の維持といった、各人の自由が脅かされる場合にのみ権力の行使が正当化されます。

リバタリアンは、権力は腐敗するものであると考え、最終的には無政府主義を目指します。

ネオリベラリズムは経済的な自由を強調し、リバタリアニズムは個人の自由と経済的な自由の両方を含みます。

Part 2:著作・功績

フリードマンの功績として、ノーベル経済学賞変動為替制度があります。

フリードマンは、1976年に経済理論を讃えられ、ノーベル経済学賞を受賞しました

スウェーデンでは、ネオリベラリズムに反対する市民がフリードマンの受賞に抗議するデモが行われるなどしました。

もう一つの功績として、変動為替制度があります。

固定為替制度が定着していた時代に変動為替制度を提案し、のちに採用されました。

固定為替制度は、金1オンス=35ドルという固定の為替を採用していました。

今では当たり前となっている変動為替制度では、常に為替が変動しており、景気動向によって左右されます。

③フリードマンの有名な著作として、「資本主義と自由」「選択の自由」があります。

これらを読めば、フリードマンの思想を整理することができると思います。

Part 3:おすすめ書籍

もっと「フリードマン」を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 4:まとめ

いかがでしたか?

「フリードマン」をまとめると、

【フリードマン】 まとめ
マネタリズム:貨幣の役割を重視し、貨幣の量によって景気や物価といった変数が決定するという経済理論
ネオリベラリズム市場経済の機能、個人の自由を尊重し、政府による市場介入を最小限にすることで、効率的な資源配分が可能になるという考え方
リバタリアニズム:個人の自由・経済的な自由を重視する政治思想・政治哲学的な立場
・固定為替制度から変動為替制度へ
・ノーベル経済学賞
・「資本主義と自由」「選択の自由」

以上です。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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