【レーガノミクス】時代背景や政策の内容などわかりやすく解説

Introduction:ロナルド・レーガンはどんな人?

ロナルド・ウィルソン・レーガン(Ronald Wilson Reagan)とは、

第33代カリフォルニア州知事、第40代アメリカ合衆国大統領、政治家、俳優

です。

レーガンは元々映画俳優として活躍しており、カリフォルニア州知事に転向しました。

その後、大統領選で勝利し、第40代アメリカ合衆国大統領に就任しました。

レーガンは、「レーガノミクス」と言われる経済政策を行いました。

本記事では、レーガノミクスの背景と政策を解説していきます。

【レーガノミクス】 要点
・時代背景:スタグフレーション・双子赤字・生産性上昇率の鈍化
・ネオリベラリズム:個人の自由の尊重や市場原理に基づいて、政府による個人・市場への介入を最低限に留めるべきという考え

・政策(4本柱):財政支出削減・減税・規制緩和・貨幣供給量の操作

Part 1:時代背景

レーガンが大統領になる以前のアメリカ経済は疲弊していました。

1−1 スタグフレーション

1970年代のアメリカ経済ではスタグフレーションという現象が発生していました。

スタグフレーション(Stagflation)とは、

景気停滞を意味する「スタグネーション」と物価が上昇する「インフレーション」が同時に起きる現象

です。

通常、不景気では物価が下落するデフレがおき、好景気には物価が上昇するインフレが起きると言われています。

しかし1970年代のアメリカ経済では、不景気にも関わらず物価が上がるというスタグフレーションが起きていました。

これは、1965年にアメリカが介入したベトナム戦争によって軍事費がかさんだことで、インフレが継続したのが原因であると言われています。

1−2 双子赤字

また、当時のアメリカ経済は双子の赤字を抱えていました。

双子の赤字(Twin deficits)とは

「貿易赤字」と「財政赤字」が並存している状態

です。

貿易赤字:輸入額が輸出額を上回り、貿易収支がマイナスな状態

財政赤字:財政支出が税収を上回り、財政収支がマイナスな状態

これは、国内と国外の収支の両方が赤字であると言えます。

このように、1980年代のアメリカ経済は双子の赤字を抱えている経済状況でした。

1−3 生産性上昇率の鈍化

当時のアメリカでは、生産性の上昇が鈍化しました。

生産性とは、

経済活動において、資源から取り出す付加価値の効率の度合い

です。

戦後からオイルショックにかけて、平均生産性上昇率は2.5%程度でした。

しかし、1970年代から80年にかけてはほとんどゼロにまで落ち込みました。

 

以上のように、スタグフレーション・双子の赤字・生産性上昇率の鈍化という3つの現象によって、当時のアメリカ経済はかなり疲弊していました。

Part 2:レーガノミクスの4本柱

レーガンは、サプライサイド経済学に基づいた経済政策を展開しました。

サプライサイド経済学とは、

供給(サプライ)を操作することで経済成長を促進できると考える経済学派

です。

レーガノミクスは、①財政支出削減 ②減税 ③規制緩和 ④貨幣供給量の操作という4本柱で構成されていました。

2−1 財政支出削減

1つ目の柱として、「財政支出削減」があります。

先述したように、当時のアメリカ財政は赤字を抱えており、それを解消する必要がありました。

赤字を解消するには支出を抑える必要があります。

レーガンは、社会保障費を削減することで財政赤字に対処しました。

世界恐慌後、ニューディール政策を行って不景気に対処したアメリカは、福祉的な政策が主流となっていました。

大きな政府として福祉や社会保障を充実させてきた政策によって、その費用が膨らんでいました。

そこでレーガンは社会保障や公共サービスのあり方を見直し、法律を改正するなどして財政支出を抑えました。

2−2 減税

2つ目の柱として、「大幅な減税」が挙げられます。

「税収を増やすために増税をするべきでは?」と考える人もいるかもしれませんが、レーガンは減税を行いました。

この減税の目的は、

・労働・消費・貯蓄意欲の向上

・設備投資の増加

・生産性向上

などが挙げられます。

これは、個人の所得税企業に対しての減税であり、経済を活性化させることを目指していました。

所得税を減税することで労働のインセンティブを刺激したり、企業減税によって設備投資を促進と生産性の向上がおきました。

税率を下げて経済を活性化することで、減収した財政をより早く立て直そうと試みました。

2−3 規制緩和

3本目の柱は「規制緩和」です。

レーガンは、政府による規制が企業の自由な経済活動を阻害していることが非効率性を生み出していると考えました。

特定の産業を保護するために行われてきた規制を解くことで、市場原理に基づいて企業間の競争を促進し、経済成長を目指しました。

規制緩和として、価格統制の廃止などが実施されました。

規制緩和によって投資が促進されることでGDPの成長を促しました。

 

このような政策はネオリベラリズムに基づいています。

ネオリベラリズム(Neoliberalism)とは、

個人の自由の尊重や市場原理に基づいて、政府による個人・市場への介入を最低限に留めるべきという考え

です。

レーガンと同じようにネオリベラリズムに基づいた政策を行った人物として、イギリス初の女性首相であるマーガレット・サッチャーがいます。

レーガノミクスは、サッチャリズム(サッチャーが行った政策)と並べて学ぶことがよくあります。

サッチャリズムについてまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。

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2−4 貨幣供給量の操作

4本目の柱は、「貨幣供給量(マネーサプライ)の操作」です。

先述したように、当時のアメリカ経済ではスタグフレーションが発生していました。

インフレーションは、貨幣供給量が増えることで通貨の価値が下がり、物価が上昇します。

そのため、貨幣供給量を操作してインフレを抑える政策を実施しました。

この政策は、ミルトンフリードマンが唱えたマネタリズムに基づいています。

フリードマンについてまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。

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マネタリズムとは、

貨幣の役割を重視し、貨幣の量によって景気や物価といった変数が決定するという経済理論

です。

以上のように、レーガノミクスは4本柱の政策でした。

1990年代にはアメリカ経済が復活したため、レーガノミクスがその基礎を築いたという評価もあります。

Part 3:おすすめの書籍

もっと「レーガノミクス」を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 4:まとめ

いかがでしたか?

「レーガノミクス」をまとめると、

【レーガノミクス】 要点
・時代背景:スタグフレーション・双子赤字・生産性上昇率の鈍化
・ネオリベラリズム:個人の自由の尊重や市場原理に基づいて、政府による個人・市場への介入を最低限に留めるべきという考え

・政策(4本柱):財政支出削減・減税・規制緩和・貨幣供給量の操作

以上です。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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