ハイエク【貨幣発行自由化論】背景や通貨の自由競争など、わかりやすく解説

Introduction:ハイエクはどんな人?

フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク(Friedrich August von Hayek)とは、

1899年〜1992年にオーストリアで活躍した、オーストリア学派を代表する経済学者

です。

ハイエクは20世紀を代表する自由主義の経済学者で、オーストリア学派でした。

ノーベル経済学賞も受賞しており、経済学に重要な貢献をしました。

主な著書としては、「隷属への道」「貨幣発行自由化論」などがあります。

本記事では、背景「貨幣発行自由化論」の内容を解説してきます。

貨幣発行自由化論】 要点
・背景:世界恐慌後の財政赤字
・中央銀行による通貨発行権の独占状態を民間に解放するべき
・購買力が一定となる裏付けが必要
・そのデータを公開することで、不安定な通貨を排除
・通貨の自由競争を促進

Part1:背景:世界恐慌後の財政赤字

「貨幣発行自由化論」が書かれた背景として、世界恐慌後の財政赤字があります。

世界恐慌が起こった時、アメリカはケインズ経済学に基づいてニューディール政策を行いました。

ニューディール政策は、公共事業を増やすことで大規模な雇用を実現し、景気回復を実現しました。

このような大きな政府にはコストがかかるため、景気が回復に伴って公共事業を減らし、増税をすることで、税収を確保する必要があります。

しかし、景気回復後も増税などの政策は行われませんでした。

なぜならば、政治家が落選を恐れて公共事業を継続したためです。

その結果、赤字は膨らむ一方でした。

このような背景から、規制や国の権利独占は経済にとって非効率的であると考えたハイエクは「貨幣発行自由化論」を唱えました。

ケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」についてまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。

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ケインズ 雇用・利子および貨幣の一般理論

Part 2:内容解説「貨幣発行自由化論」

貨幣発行自由化論は、貨幣の発行を自由にすべきであるという考えです。

通常、中央銀行のみが貨幣を発行する権利を持っていますが、その独占状態をなくすべきであるというのが根幹の主張です。

ハイエクは、中央銀行が発行する代わりに、民間企業がボーダーレスに独自の通貨を作るべきであると主張しました。

中央銀行による通貨発行権の独占状態を民間に解放するべきということです。

ちなみに仮想通貨は、この「貨幣発行自由化論」に基づいていると言われています。

そしてその通貨は、特定の財によって購買力が安定するように発行量を調整しなければなりません。

購買力が一定でないと、貨幣としての機能を果たさないため、きちんとした裏付けが必要不可欠です。

また、企業は購買力に関するデータを公表する必要があります。

そうすることで、不安定な通貨は淘汰されることで安定した通貨だけが残ります。

このような通貨の自由競争が、安定した通貨を確立します。

以上のように、政府・中央銀行の独占的な権利を解放していけば、マーケットにとって良い結果をもたらすとハイエクは考えました。

ハイエクは、規制撤廃や民営化を促進する新自由主義的な考えに基づいていました。

Part 3:おすすめ本

もっとハイエク・「貨幣発行自由化論」を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 4:まとめ

いかがでしたか?

「貨幣発行自由化論」をまとめると、

貨幣発行自由化論】 要点
・背景:世界恐慌後の財政赤字
・中央銀行による通貨発行権の独占状態を民間に解放するべき
・購買力が一定となる裏付けが必要
・そのデータを公開することで、不安定な通貨を排除
・通貨の自由競争を促進

以上です。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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