マーシャル【経済学原理】価格理論や影響など、わかりやすく解説

Introduction:マーシャルはどんな人?

アルフレッド・マーシャル(Alfred Marshall)とは、

1842年〜1924年にイギリスで活躍した、ケンブリッジ学派の経済学者

です。

マーシャルは、新古典派を代表する偉大な経済学者であり、現代経済学に多大な貢献をしました。

経済学を学ぶ上では、絶対に避けては通れない経済学者です。

本記事では、①「経済学原理」の内容 ②影響について解説していきます。

Part 1:内容解説

経済学原理

「経済学原理」の、①価格理論 ②人間の向上の可能性について解説していきます。

【経済学原理】 要点
・価格理論:一時的均衡・短期正常均衡・長期正常均衡・超長期
・人間の向上の可能性:労働者の生活基準の向上・経営者の「経済騎士道」
・影響:新古典派経済学・ピグーとケインズ・ケンブリッジ学派

(※本記事は、経済学の知識をある程度持っているという前提で解説していきます)

1−1 価格理論

マーシャルは、市場で価格が決定される理論を唱えました。

そこで、①一時的 ②短期 ③長期 ④超長期という4つの時間区分を場合分けして考えました。

1−1−1 一時的均衡

一時的均衡では生産が固定されているため、供給曲線が垂直になります。

また、限界効用は逓減するため、需要曲線は右下がりになります。

これは、価値が限界効用によって決定される効用価値説のケースとなります。

 

一時的均衡

 

一時的均衡では、供給曲線が垂直になるというのがポイントです。

1−1−2 短期正常均衡

短期的均衡では、生産が収穫逓減するため、供給曲線が右下がりになります。

また、限界効用は逓減するため、需要曲線は右下がりになります。

価格は需要曲線と供給曲線の交点で決まります。

 

短期的均衡

 

右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線の交点で価格が決定される短期正常均衡は、最も目にするパターンだと思います。

1−1−3 長期正常均衡

長期正常均衡では生産が収穫一定なので、供給曲線が水平になります。

また、限界効用逓減となるので、需要曲線は右下がりになります。

価格は生産費で決まる古典派のケースになります。

 

長期的均衡

 

供給曲線が水平になるのがポイントです。

1−1−4 超長期

現代経済学では、市場分析を「短期」と「長期」に分けて分析します。

マーシャルは、長期よりも長い「超長期」というものを仮定しました。

これは、価格の漸進的な動きに注目しました。

人口や資本・技術革新などによって需要と供給が少しづつ変化することによって、価格変化が「超長期」のスパンで起きるということです。

これは、世代を超えて引き起こることなので、次世代の人間をどのように作っていくべきかという議論が展開されました。

これが「人間向上の可能性」につながります。

価格理論

1−2 人間の向上の可能性

先述したように、マーシャルは次世代の人間をどのように育てていくかという問いに対し、「人間向上の可能性」を①労働者の生活基準の向上 ②経営者の「経済騎士道」という2点から答えました。

1 −2−1 労働者の生活基準の向上

マーシャルは、労働者の生活水準に注目しました。

市場(競争)だけでは人間は完成し得ないと主張し、市場の不完全性を指摘しました。

そして、貧困層は子どもの教育が不十分で、貧困から抜け出せない悪循環に陥っている状況を分析しました。

そこでマーシャルは「人間の向上」には、経済的成長と知的・倫理的成長が必要であり、それが達成されれば、貧困からの脱却が可能であると主張しました。

生活水準が低い状態では、知的・倫理的に成長する余裕がないため、「人間の向上」が見込めないということです。

これは、最終的に生産性の向上につながるため、社会的にも望ましいと考えられました。

1−2−2 経営者の「経済騎士道」

マーシャルは、経営者にも注目しました。

マーシャルは、経営者が事業の結果として多大な富を獲得するというのは、中世の騎士道の精神と似通っていると考えました。

中世の騎士道は「それらが困難であるがゆえにこれを行う喜びを含む」という、ストイックで崇高な理念に基づいたものとされています。

経営者も中世の騎士道と同じ精神で事業を行うことで、「超長期」的に見ると、「人間の向上」が可能になると結論づけました。

Part 2:影響

マーシャルは、経済学の発展において多大な貢献をしました。

① 新古典派経済学

マーシャルは、新古典派経済学を代表する経済学者であると言えます。

元々は古典派経済学を重視したマーシャルが発展させ、新古典派経済学が出来上がったと言われています。

つまりマーシャルは、新古典派経済学の祖ともいえる経済学者なのです。

ちなみに、古典派経済学はアダムスミスを中心とする経済学者によって発展した学派です。

スミスについてまとめた記事は以下のリンクからご覧いただけます。

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② マーシャルの教え子:ピグーとケインズ

マーシャルの教え子には、ピグーやケインズといった有名な経済学者がいました。

ピグー ケインズ

ピグーは厚生経済学を発展させ、ピグー税などの考えを提唱しました。

ケインズは、ケインズ経済学を確立した大経済学者です。

このようにマーシャルは、非常に優秀な経済学者を育て、経済学の発展の大きく貢献しました。

③ ケンブリッジ学派

マーシャルは、ケンブリッジ学派を形成したことでも有名です。

ケンブリッジ学派は、ケンブリッジ大学で教授をマーシャルが唱えた経済理論がケンブリッジ学派として確立しました。

そして、ピグーケインズロバートソンなどによって受け継がれました。

限界革命以降のイギリスにおける正統派経済学として認められていました。

Part 3:おすすめ本

もっとマーシャル・「経済学原理」・経済学史を学びたいという人は、以下の書籍がおすすめです。

Part 4:まとめ

いかがでしたか?

「経済学原理」をまとめると、

【経済学原理】 要点
・価格理論:一時的均衡・短期正常均衡・長期正常均衡・超長期
・人間の向上の可能性:労働者の生活基準の向上・経営者の「経済騎士道」
・影響:新古典派経済学・ピグーとケインズ・ケンブリッジ学派

以上です。

Web大学 アカデミアは、他にも様々なジャンル・トピックを解説していますので、是非ご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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